ORIGAMI ドリッパー 〜半年使ってみての感想〜

2020年7月6日

今やいろんなところで見かけるようになったORIGAMIドリッパー。

昨年の10月頃からお店でも使い始め、半年以上が過ぎました。

ORIGAMIの前は、
比較的多くの方が使っているであろうHario V60 のセラミックを使っていました。

この記事では、
Hario V60とORIGAMIの2つを比較対象とし、使ってみた感想やその魅力などをご紹介していきます。

こんな方に読んでほしい

• ORIGAMIドリッパーが気になっている
• 買ったはいいけどやっぱりV60使ってしまう
• 抽出が難しいと感じている
• 使ってみての感想が知りたい

ORIGAMIドリッパーの歴史

ORIGAMIドリッパーを導入するにあたり、どのようにして誕生したのか、どういった想いで作られているのかを知るところから始めました。

調べる前は、

名古屋のTRUNK COFFEEのオーナーさん 鈴木康夫さん が関わっているということ

そして、

2019年のファルターコーヒーの大会において、世界チャンピオンに輝いた方がピンクのORIGAMIドリッパーを使っていたこと

くらいしか知りませんでした。

要点をまとめると

• 誕生日したのは5年前 ( 2015年 )
• 現在の販売元である美濃焼の会社 ケーアイさんから名古屋のTRUNK COFFEEの
オーナー 鈴木康夫さんにカフェのプロダクトを作りたいという相談から始まる
• 現在世界的に使われているドリッパーは実は2代目
• 女性目線でつくられた(?)
• バリスタ目線で作られている
• 見た目が美しく今までにないデザイン
• 陶器とは思えないほど薄くて軽い

もっとたくさんあるので、
さらに詳しく歴史を知りたい方は、ORIGAMIドリッパーの生みの親、TRUNK COFFEEの鈴木康夫さんのInstagramをチェック!!

https://www.instagram.com/yasuo_net/?hl=ja

この記事では、
ユーザーとしての感想を中心に、ORIGAMIドリッパーの魅力をお伝えします。

ORIGAMIドリッパーの見た目

AERUではこの4色を取り扱っています

まず何より目を引くのはこの見た目なのではないでしょうか?

ひと目見て “ かわいい!”と思えるし、見た目が好きだから購入する人も少なくないように思います。

カラーバリエーションが豊富なところも魅力の1つ

なんと全11色あり、男性から女性まで選ぶのに迷ってしまうほどかわいい色がたくさんあります。

HPはこちら

https://www.k-aijp.com/

そして、陶器とは思えない薄さです。初めて見た方はこれが紙だと勘違いする方も多いように思います。

オリガミを丁寧に折ったような形をしているので、まさかこれが陶器だとは触らないとわからないと某百貨店での催事の際に、初めて目にする方のリアルな声をたくさん聞きました。

ORIGAMIドリッパーの重さ

軽い。非常に軽いです。

陶器とは思えない軽さで、多く使われているSサイズ( 1-2杯用 ) で約130g。
実際に持ってもらうと想像以上に軽いのでびっくりするかもしれません。

Hario V60の01 ( 1-2人用 / 陶器 )と比べるとこんなに違います

左 : 133g / 右 : 312g

半分以下です。驚く軽さには納得です。

穴のサイズはORIGAMIドリッパーの方が大きいです

穴のサイズが違うこと、リブ ( ドリッパー内側の出っぱりのこと ) の形が違うことから、お湯の抜け方が異なるために、抽出スピードに影響します。詳しくはこの後。

ORIGAMIドリッパー 最大の特徴

僕自身、ORIGAMIドリッパーを使ってみて最大の特徴と思っているのが

ペーパーフィルターが2種類使えること

左 : 円錐フィルター / 右 : ウェーブフィルター

しかもORIGAMI専用のペーパーフィルターは無く、既存しているペーパーが使えます。

未だかつて形の異なる既存のペーパーフィルターを2種類使えるドリッパーはなかったはずです。

2種類使えると何がいいのか?

いくつかありますが、家庭で使うことを考えると “ 持続性 “ が挙げられると思います。

1種類しか使えないと、ペーパー切れを起こした時に替えがない。追加で買おうにもすぐに手に入らないこともある。
そうなるとそれまでのコーヒーを淹れるという良い習慣がストップしてしまいます。( 持続性に少し欠けますよね )

2種類使えることで、使い続ける理由になるのかなと思ってます。

次に挙げるとすれば、” 抽出の幅の広さ “ です。
( この先少し専門的な説明になるので難しく感じたらごめんなさい )

先述しましたが、円錐フィルターを使うとお湯の抜けが速いです。

あくまで個人的な感覚ですが、円錐型のドリッパーで1番速いのではないでしょうか?

お湯の抜けが速い理由としては、まず先述した穴が大きいこと。
そして、リブと円錐フィルターとの接地面積が少ないことだと思っています。( あくまで個人的意見 )

リブとフィルターの接地面積が少ないことで、お湯が上から下に落ちていく過程で抵抗が少なくなります。( 要は隙間が多い )
抵抗が少ないが故に、他の円錐ドリッパーよりお湯の抜けが速いのかなと思ってます。

抜けが速いことのメリット

抜けが速いことにおけるメリットは、注ぎでコントロールできる幅が広い。( かなり広がります )

抜けが速いことでのデメリット

デメリットは他のドリッパーよりコントロールが難しいことが挙げられます。
言い方を変えればブレが起きやすいです。

では、もう一つのウェーブフィルターを使うとどうか?

円錐フィルターよりもお湯の抜けが遅くなります。

お湯の抜けが遅くなるメリット

お湯の抜けが遅いことのメリットとしては、
ウェーブフィルターの底がフラットなので、お湯の抜けが遅くなります。
加えて、お湯の溜めができるので味粉がお湯に触れている時間が長くなるので、味を出しやすいです。

ウェーブフィルターを逆さまにした時
底面がフラットなのがわかるかと思います

ウェーブフィルターは、味を出しにくい浅煎りに向いてるかなと思いますし、
細かく挽くとネガティブな部分が出やすいコーヒーも粗く挽いて調整することが可能です。

また、ウェーブフィルターの方が再現性は上がると思います。
たくさんのバリスタさんが働くようなお店では、ウェーブフィルターの方が誰が淹れてもブレが少なく、安定した抽出が可能になると思います。

お湯の抜けが遅いデメリット

デメリットとしては、
円錐フィルターよりも注ぎでコントロールできる幅が狭いことが挙げられます。ウェーブフィルターは少し紙の臭いも気になるところです。

しかし、裏を返せばコントロールできる幅が狭いことで、ブレが少なくなり再現性が上がるということも言えます。

どちらのフィルターにも良し悪しがありますが、

ORIGAMIドリッパーをより簡単に使うのであればウェーブフィルター

いろんな豆を幅広く飲みたい、いろんな抽出を楽しみたいという方は円錐フィルター

がいいのではないでしょうか?

その他

Hario V60からORIGAMIドリッパーに切り替える時、レシピ作りにとても苦労しました。お店では円錐フィルターを使っています。

ORIGAMIドリッパーの特性を掴むまでは、豆のポテンシャルとレシピとのバランスを整えるのが本当に難しかったですね。

Hario V60と同じレシピで淹れると30秒くらい速く落ちてしまい、ボディ感がなく、薄っぺらいコーヒーになってしまいます。

挽き目を細かくすれば時間を伸ばせるかなと思い、試しました。
たしかに時間は伸ばせんですが、オーバー気味 ( 過抽出 / 味の出し過ぎ ) のように感じます。

ドーズアップ ( 豆の量を増やす ) も試しました。
この方がレシピの方向性としては向いてそうな感じはありましたが、お店を営む上での原価はとても大切な部分です。
ドリッパーを変更したからドリンクの値段上げるのは違いますし、ドーズアップして値段据え置きもビジネス的に違うので、これも断念。

結果

原価的に無理のない範囲で少量ドーズアップし、注ぎの回数を増やしました。

Hario V60では3回に分けて注いでいましたが、ORIGAMIドリッパーではそれを更に細分化し、5回に分けて注ぎ、速度もゆっくり丁寧に注ぐようにしました。

なぜそうしたかというと、あることに気付いたんです。

それは、
注ぎの前半パートと後半パートでお湯が抜けるスピードが違うのではないかなと
( 正確に何秒違うかとは計ってません、肌感覚です )

考えられる理由としては、
抽出が進むにつれて、円錐フィルターの先に集まるコーヒーの粉の密度が増している。
ことが起因しているのではないかと思います。( なんとなく )

前半パートはやはり速いのでゆっくり丁寧に注ぎます。

後半パートは少し遅くなる ( Hario V60と同じくらいの感覚 ) ので、少し注ぎのスピードを速めます。

この事に感覚的に気付いてからは注ぎのコントロールがし易くなりました。

当初はウェーブフィルターに切り替えようともしましたが、お店に円錐フィルターの在庫がたくさん。笑
使い切りたかったんです。笑

コーヒーに正解はないと思っているので、絶対にこの円錐フィルターでも美味しく淹れることができるレシピがあるはずと、根気よく
ORIGAMIドリッパー × 円錐フィルター に向き合いました。

今では円錐フィルターの方が幅広く調整できるし、アバカフィルター( お店で使っている円錐フィルター ) は臭いが気にならない。

バリスタとして円錐フィルターの方が面白いと感じてます。

まとめ

ORIGAMIドリッパーはどのドリッパーよりも幅広く楽しめるということです。

Hario V60 と Kalita wave

この2つのドリッパーに似た特性を、フィルターを使い分けることで1つのドリッパーで楽しめちゃうのではないでしょうか?( もちろん全く同じではないです )

後半はかなり専門的になってしまいましたが、
ORIGAMIドリッパーの面白さを文字で伝えようとした結果です。

ご不明な点がもしあれば、ご質問いただければわかる範囲でなんでもお答えしますのでお気軽にお問い合わせ下さい!

ORIGAMIドリッパー × 円錐フィルター

この組み合わせによるお湯の抜けの速さは、慣れるととても面白いですよ!

Mr.ORIGAMI ( 営業担当の方 )